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基本的に雪の降らない地域なのですが、珍しく積もってはしゃいでいます。
仕事が産休でよかった……絶対たどり着かなかった……(雪が降ると交通機関が完全に麻痺する)
しかし、寒くなると、腰痛と座骨神経痛が酷くなります。
職業病でしょうか、診察で前屈みの姿勢をとることが多かった時に腰痛を発症し、ついでに座骨神経痛もある人間なので、妊娠して更に辛いことになっています。
で、本当はコルセットを巻きたいのですが……妊娠中は……巻けない……ですね。
一般的な腰痛用の軟性コルセットが腰痛に何故効くか、と言いますと、別に姿勢を矯正しているとか、それだけで治るもんではありません。腹圧を高めることで腰部の筋肉(脊柱起立筋など)を補助的に腹筋も含めて代用することで、腰部の負担を軽減するわけですね。
なので、きっちり巻かないと正しい効果が得られません。
というわけで、基本的に巻けない。そこまで腹圧を上げれません。産後は巻こうと思ってますが。
でも、妊娠後期にもなると、痛み止めも飲みにくいし、できれば湿布も貼りたくない……。
基本的な痛み止めは、妊娠中も過剰に使わなければ結構安全に使えるのですが、妊娠末期に使うと、赤ちゃんの動脈管と呼ばれる血管をきゅっと絞めてしまうのです。これは場合によって致命的になるので、ごく一部の痛み止めしか使えません。
「妊娠中にもらった薬だから大丈夫だよ」
と思わずに、妊娠後期になってから使うときはご注意を(また別の項で改めて書きます)。主治医の先生に一度相談してから使いましょう。
コルセットも薬も使えないとなるとどうしたもんか……と思ってネットを調べると、某商品名にて骨盤ベルトというんでしょうか、骨盤に巻くベルトの広告がでるわでるわ。
うーん……
いつからか、この骨盤信奉とでも呼ぶような風習が流行っているんですが、誰が始めたんでしょうね……
患者さんから骨盤の歪みが云々と質問されるんですが、はっきり言うなら、そもそも誰でもある程度の脚長差はあるし、骨盤も生体の一部なので左右対称のはずもないし、そもそも歪みなんてX線の撮影方法次第でいくらでもできます。
医学的に骨盤の歪み? で議論されることって、主に交通事故の外傷時くらいしかないんじゃないんでしょうか。
骨盤や背骨の歪みビジネスは、非常に安価に集客できるので、流行るのは理解できます。効果も簡単に出るでしょうしね。(ほら、脚の長さが同じになりました……なんて、本当に簡単なので)
まあそれはさておき、骨盤ベルトが効果があるのかないのか、という話です。
「効く」「効かない」という個人的感想は山ほどでてくるので、それは割愛して、ちょっと医学的に考えてみましょう。
妊娠から出産にかけて、リラキシンというホルモンが出まして、これが主に骨盤の靭帯を緩めることで、出産を進みやすくするようです。するようです、というのもこれに関する文献が見つからず……
まあ、ホルモンはともかくとしまして、出産の時には狭い骨盤を通って赤ちゃんが出て行くのですから、まあ出産に向けた妊娠中に若干開き気味になるのは物理的に当然と言えます。
で、この恥骨結合や仙腸関節の結合が緩めば、当然痛みが出るわけで……妊娠中に、ここが原因の腰痛が起こる(おしりに近い腰や、股関節周囲の痛み、になるでしょうか)場合は、もしかしたら補助的に骨盤ベルトを巻けば痛みが解消されるかもしれません。
が、わざわざ骨盤ベルトを巻く必要はあるかな……腹帯を骨盤上に巻くことで十分な気が致します。
で、私のように、そこが原因ではない腰痛の場合、はっきり言って役に立たないと断言できます。
だって、痛みの原因はもっと上部。重心変化や体重変化で、腰部への負荷が高まっているせいなのですから(重い物を持って歩いたら腰が痛くなった、という一般の腰痛と同じ理論です)。
しかしなあ、出産のためにわざわざ開いてくれている関節を締めて、わざわざ難産に向かおうとしなくてもいいような気がしてならないのですが……特に体の小さい人の場合、赤ちゃんの頭が骨盤を通るか、ぎりぎりのことがあるので、わずかな開きで随分と楽になるはずなのですが……
私だったら、開くのであれば産前にできるだけ開いておきたいくらいです。
医学系のSNSでも、骨盤ベルトについてちょっとだけ話題に出ていました。
大体私と似たような意見でしたが、産婦人科の先生も「助産師が流行らせているけど自分はノータッチ」「して気持ちがいいなら特には止めない」という雰囲気だったので、まあ大きな弊害もないということなのでしょうか。
産後に使う必要もあるのかな。まあ、痛みが酷くて歩けないレベルだったら補助的に巻くのはいいのかもしれないですね。時間が経てば、勝手に戻ると思いますが(というか、開いていた方が、次の出産の時に楽なのではないかと……腹腔内の臓器の下垂が云々というのであれば、是非骨盤底筋群体操で鍛えてやる方が生理的かと思います……)(産後については記事最後に追記しました)
某骨盤支持ベルトの医療関係者向けのサイトを覗いても、論文も医学的に書かれたものは……うーん……というレベルのもので、エビデンスがなさすぎて、医者として特別勧める気にはならないですねえ……
結論として、医学的に考えると、骨盤支持ベルトは、前述の特殊な腰痛のみでしたら、痛みが軽減するとは思います。
それ以外は、なんとも言い難いです。
で、まあ私の場合は、骨盤を締めてもどうにもならないので、下腹部に戌の日に買った腹帯で凌いでます。重心を少し戻して、若干腹圧を高めるので、腰部への負担軽減するコルセット代わりですね。若干効きます。
が、長く巻くと辛いので、立ち仕事や移動がある時くらいだけしか使ってませんが……
これもまた後日書きますが、陰部静脈瘤が出来てまして、できれば腹帯を使いたくないんですよね。これ以上悪化させると、分娩に支障が……
特別否定する気もありませんが、まあ骨盤ビジネスはほどほどに、と思っています。
非常に稼ぎやすいところであるのは想像がつくんですけど……ね。
追記:
上記は産前の話です。
産後についてですが、私は明らかに「これは出産の時に開いた骨盤が原因だ!」と思えるような腰痛に襲われ、産後当日から横になってもなにしても痛くて痛くてたまらなかったため、実母に慌てて電話して「店が開いたら、産後用の骨盤ベルトかコルセット買って来て!」とお願いしました。
ちなみに腹帯を巻いてみましたが、何分きつくないタイプのものを使っていたため、若干よくなったけれど力が足りなかった。
で、買って来てもらったのがこれでした。た、高い……と思いましたが、これがかなりしっかりとしめつけてくれるので、ひどい腰痛はこれでかなり軽減されました。痛みが治まる半月くらいは使ったかな。
一応体験談として。
仕事が産休でよかった……絶対たどり着かなかった……(雪が降ると交通機関が完全に麻痺する)
しかし、寒くなると、腰痛と座骨神経痛が酷くなります。
職業病でしょうか、診察で前屈みの姿勢をとることが多かった時に腰痛を発症し、ついでに座骨神経痛もある人間なので、妊娠して更に辛いことになっています。
で、本当はコルセットを巻きたいのですが……妊娠中は……巻けない……ですね。
一般的な腰痛用の軟性コルセットが腰痛に何故効くか、と言いますと、別に姿勢を矯正しているとか、それだけで治るもんではありません。腹圧を高めることで腰部の筋肉(脊柱起立筋など)を補助的に腹筋も含めて代用することで、腰部の負担を軽減するわけですね。
なので、きっちり巻かないと正しい効果が得られません。
というわけで、基本的に巻けない。そこまで腹圧を上げれません。産後は巻こうと思ってますが。
でも、妊娠後期にもなると、痛み止めも飲みにくいし、できれば湿布も貼りたくない……。
基本的な痛み止めは、妊娠中も過剰に使わなければ結構安全に使えるのですが、妊娠末期に使うと、赤ちゃんの動脈管と呼ばれる血管をきゅっと絞めてしまうのです。これは場合によって致命的になるので、ごく一部の痛み止めしか使えません。
「妊娠中にもらった薬だから大丈夫だよ」
と思わずに、妊娠後期になってから使うときはご注意を(また別の項で改めて書きます)。主治医の先生に一度相談してから使いましょう。
コルセットも薬も使えないとなるとどうしたもんか……と思ってネットを調べると、某商品名にて骨盤ベルトというんでしょうか、骨盤に巻くベルトの広告がでるわでるわ。
うーん……
いつからか、この骨盤信奉とでも呼ぶような風習が流行っているんですが、誰が始めたんでしょうね……
患者さんから骨盤の歪みが云々と質問されるんですが、はっきり言うなら、そもそも誰でもある程度の脚長差はあるし、骨盤も生体の一部なので左右対称のはずもないし、そもそも歪みなんてX線の撮影方法次第でいくらでもできます。
医学的に骨盤の歪み? で議論されることって、主に交通事故の外傷時くらいしかないんじゃないんでしょうか。
骨盤や背骨の歪みビジネスは、非常に安価に集客できるので、流行るのは理解できます。効果も簡単に出るでしょうしね。(ほら、脚の長さが同じになりました……なんて、本当に簡単なので)
まあそれはさておき、骨盤ベルトが効果があるのかないのか、という話です。
「効く」「効かない」という個人的感想は山ほどでてくるので、それは割愛して、ちょっと医学的に考えてみましょう。
妊娠から出産にかけて、リラキシンというホルモンが出まして、これが主に骨盤の靭帯を緩めることで、出産を進みやすくするようです。するようです、というのもこれに関する文献が見つからず……
まあ、ホルモンはともかくとしまして、出産の時には狭い骨盤を通って赤ちゃんが出て行くのですから、まあ出産に向けた妊娠中に若干開き気味になるのは物理的に当然と言えます。
で、この恥骨結合や仙腸関節の結合が緩めば、当然痛みが出るわけで……妊娠中に、ここが原因の腰痛が起こる(おしりに近い腰や、股関節周囲の痛み、になるでしょうか)場合は、もしかしたら補助的に骨盤ベルトを巻けば痛みが解消されるかもしれません。
が、わざわざ骨盤ベルトを巻く必要はあるかな……腹帯を骨盤上に巻くことで十分な気が致します。
で、私のように、そこが原因ではない腰痛の場合、はっきり言って役に立たないと断言できます。
だって、痛みの原因はもっと上部。重心変化や体重変化で、腰部への負荷が高まっているせいなのですから(重い物を持って歩いたら腰が痛くなった、という一般の腰痛と同じ理論です)。
しかしなあ、出産のためにわざわざ開いてくれている関節を締めて、わざわざ難産に向かおうとしなくてもいいような気がしてならないのですが……特に体の小さい人の場合、赤ちゃんの頭が骨盤を通るか、ぎりぎりのことがあるので、わずかな開きで随分と楽になるはずなのですが……
私だったら、開くのであれば産前にできるだけ開いておきたいくらいです。
医学系のSNSでも、骨盤ベルトについてちょっとだけ話題に出ていました。
大体私と似たような意見でしたが、産婦人科の先生も「助産師が流行らせているけど自分はノータッチ」「して気持ちがいいなら特には止めない」という雰囲気だったので、まあ大きな弊害もないということなのでしょうか。
産後に使う必要もあるのかな。まあ、痛みが酷くて歩けないレベルだったら補助的に巻くのはいいのかもしれないですね。時間が経てば、勝手に戻ると思いますが(というか、開いていた方が、次の出産の時に楽なのではないかと……腹腔内の臓器の下垂が云々というのであれば、是非骨盤底筋群体操で鍛えてやる方が生理的かと思います……)(産後については記事最後に追記しました)
某骨盤支持ベルトの医療関係者向けのサイトを覗いても、論文も医学的に書かれたものは……うーん……というレベルのもので、エビデンスがなさすぎて、医者として特別勧める気にはならないですねえ……
結論として、医学的に考えると、骨盤支持ベルトは、前述の特殊な腰痛のみでしたら、痛みが軽減するとは思います。
それ以外は、なんとも言い難いです。
が、長く巻くと辛いので、立ち仕事や移動がある時くらいだけしか使ってませんが……
これもまた後日書きますが、陰部静脈瘤が出来てまして、できれば腹帯を使いたくないんですよね。これ以上悪化させると、分娩に支障が……
特別否定する気もありませんが、まあ骨盤ビジネスはほどほどに、と思っています。
非常に稼ぎやすいところであるのは想像がつくんですけど……ね。
追記:
上記は産前の話です。
産後についてですが、私は明らかに「これは出産の時に開いた骨盤が原因だ!」と思えるような腰痛に襲われ、産後当日から横になってもなにしても痛くて痛くてたまらなかったため、実母に慌てて電話して「店が開いたら、産後用の骨盤ベルトかコルセット買って来て!」とお願いしました。
ちなみに腹帯を巻いてみましたが、何分きつくないタイプのものを使っていたため、若干よくなったけれど力が足りなかった。
ワコール
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一応体験談として。