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2014年3月10日月曜日

STAP細胞の問題点をわかりやすく解説

(本文は下に続きます。)

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すいません、今回は妊娠とは関係ない話。
どうしても気になったもので……

非常に話題になったSTAP細胞、ここにきていろいろな問題が出てきています。
これまで出てきた問題も気になりつつも、「まあ揚げ足取りだよなあ……」とスルーしてきたのですが……

今回取りざたされている問題をまとめてくださっているのがこちら。
http://stapcells.blogspot.jp/2014/02/blog-post_20.html

いろいろな問題があげられてますが、私が「これはあかん」と思うのは、疑惑画像1と2。
過去の小保方晴子氏の論文と画像が酷似しているというものです。
これはよくない。非常によくない。


いろいろな問題点が錯綜し、中にはどうでもいいものも混ざっていて、よくわかってないのに「捏造捏造!」と騒いでいる方が結構いるのは非常に残念なことです。
論文と馴染みがない方には「どれがどのレベルでよろしくないか」わかりにくいと思うので、例をあげてできるだけ簡単に説明します。
とはいえ、私自身、件の論文を読み込んだわけではないですし、ついでに英語論文書いてないというダメ医者ですので、ちょっと的外れなことも書いてるかもしれませんが予めご了承ください。



今回の論文を「こんな方法使ったら、簡単にものすごい本格的な美味しいカレーが作れたよ!」というようなクックパッドのレシピで例えてみたいと思います。
で、それをアップしたら、いろんなサイトで取り上げられ「なにこれマジすげえwww」「こんなんでできんのかよ、ktkr!」みたいな感じですごくbuzzった、と。
そうして一躍有名になり、話題のレシピとして取り上げられたのだけど、あちこちからレシピの問題点が突っ込まれるようになった、というのが現状です。

例えば、「他の人の論文と酷似した内容が使われている」というもの。

これをレシピで言うと、「作り方の一部が、他の人があげているレシピとほとんど同じなんだけど、これコピペじゃないの?」という状態です。
実は、論文の中で、他の人の論文を引用することはよくあります。むしろ、引用することでハクをつけることもあります。そして、引用する時には礼儀として(決まりとして)、「どこから引用しました」というのを明記しなくてはいけません。
なので、これはおそらく引用したのにそれを表記するのを忘れたミスなのかな、と思うのです。
レシピで言うと、「ここからここまでの作り方は、一流シェフの○○さんのサイトを参考にしました! 書くの忘れてました、ごめんなさい!」という状態かな、と。
ただ、もちろん引用したことを書いてないのは非常によくない。著作権を無視して、他の人の手柄をとるコピペサイト、よくない。
なので責められて当然です。
しかし、それは「STAP細胞ができる論文がねつ造である」という問題とは全く別問題ですね。なので、私はスルーしました。

それから「再現性がない」という問題点。

画期的なカレーレシピが公開され、みんながもてはやし、さあ実際に作ってみようと思ったのに、なぜかうまくできない……!
人気のレシピのはずが、つくれぽは0件、どうなってるの?
こうなると、レシピ自体が本当にまともなものか、疑問に思うことでしょう。
しばらくすると、つくれぽが1件届きました。「直接教えてもらったら、ちゃんとできたよ」という、同じ施設内でのつくれぽでした。
こうなると、反論も出るでしょう。「いや、そりゃ自分で作ったらできるのは当然だろう!」というツッコミですね。
レシピを自分で書いた方はわかると思うのですが、意外と自分が作った方法をそのまま文章になおす、というのは難しいものです。材料はメモしてあっても、細かい雑多なところは覚えてなかったり、覚えていても端折ったり。
実験で論文を書こうという時にはもちろん細かく記録をするのですが、それでも「これは論文に書くほどのことじゃないだろう」という雑多なところは書かなかったりすると思います。
しかし、いろんな人のつくれぽが届かないことにはレシピとしての意義がない。
それが「再現性」です。
というわけで、詳しい実験のやり方を公開することになりました。
それでもつくれぽはなかなか届かないようです。ここまで来たら公開実験かなにかをした方がいいのかと思いますが……
しかしそれでも「きちんとした手順を踏めば、STAP細胞が作れる」のであれば問題がないわけでして、私はこの問題もスルー。

もう一つ、「論文の中にそっくりな画像がある」という問題。

クックパッドで言うなら、「あれ、これ角度が違うだけで同じ写真じゃね?」という状態です。……クックパッドじゃなくても、同じですね。
論文を作るときも、レシピを作るときも、やはり画像にはこだわります。おいしそうな画像の方が説得力があるからです。
ですから、山ほど写真をとります。
で、山ほどとった写真を論文に入れてみたら……同じような写真を2枚使ってしまい、一つを消し忘れた、というもの。
正直、ケアレスミスだと思います。論文の質を低めるものかもしれませんが、「STAP細胞を作れるかどうか」に関しては関係ない部分。
ですので、これもスルー。


しかし、しかしです。

過去の小保方晴子氏の論文と画像が酷似しているというもの。

今回の疑惑画像1と2。これはどうしようもなくダメだと思うのです。
これをレシピに例えると、「このレシピで、こんな美味しいカレーができました!」という写真がアップされているわけですが、調べてみると、三年前の全く別のレシピにある写真と同じだった、という状態です。
これはいけない。間違えたではすまされない。
自分の論文からとはいえ、全く違う方法(そもそもSTAP細胞とは関係がない)でできたものを、STAP細胞だからできたもの、として掲載しているわけです。
これはスルーできません。これが本当であるとすれば、美味しいカレーができなかった証明になるかもしれないのです。
さすがに「画像を貼付け間違えました」では済まされないのではないかと思います。


ただ、気になるのはハーバード大学にて、猿やヒトでのSTAP細胞の実験が行われている事。
再現性がないと言いましたが、そもそも一緒に研究していたこともあるハーバード大学では無事に再現をできている(それどころか霊長類でできている)ようなのです。
ですから、STAP細胞自体が否定されたわけではない、と私は期待をしています。
ただ、今回の小保方氏の論文については、ちょっと稚拙な部分が……稚拙、では済まされない部分も含めてあり、取り下げるべきじゃないのかな、と思います。
そして、できれば、またちゃんとした形で公表をしてもらいたいものだな、と。

今後の理研や小保方氏の発表が気になりますね。