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2014年4月2日水曜日

出産レポートその3〜分娩開始から出産まで〜

(本文は下に続きます。)

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その2からの続きです。

出産レポートその1にもごちゃごちゃ書いていますが、人によって不快に感じる可能性のある表現もありますので、この先を読むかどうかは個々人で判断していただけると助かります。
できればその1からご覧になり、冒頭の注意を読んだ上でご閲覧いただけるとよいかと思います。




それでは、その3スタートします。


3月某+1日4時半(出産当日)
分娩台へ移動。LDRなので、横のハイテク分娩台へ移動するだけでよい手軽さはありがたい。ベッドの形状から戦闘ロボットよろしく分娩台へ早変わりする。
が、仕組みに感心する余裕なく陣痛と戦う。助産師さん、準備しながらこっちに陣痛くると、会陰保護(? ただのいきみ逃しに、押さえてくれていただけかも)しつつ呼吸法の掛け声かけてくれる。
私がうるさいので準備がすすまない。
大丈夫ですから、準備していきませてください。と思って自分で勝手に会陰保護しながらいきみ逃しをしてると、察してくれたのか準備すすめてくれる。
脚台に脚載せて、脚カバーかけて、シーツ広げて出してお尻の下にしいて……
「後ろ側だけ剃毛しますのでね」
あ、やっぱり剃られるのか。あとで会陰切開するだろうからからどうするのかと思ってたけど。じょりじょりされる。
「点滴しますからねー」
と左手に点滴の針をさされたけど、なんかもう痛くもなんともない(なんの点滴なのか、ただのルートキープなのか、とか確認する余裕すらない)。
とかしてるうちに、旦那到着。

「あ、旦那さんですねー、じゃあしばらく外で待っててください」

……立ち会いといっても、生まれる瞬間だけの立ち会いなのか、ここ!←確認してなかった
戸惑う旦那が横目に見える。←前からの約束があった(この話はまた後日書きます)

「すいません、旦那はドクターで正常分娩を見たことがないので、邪魔にならないようであれば全部見せてあげてほしいんですが」←冷静で驚いたと旦那後日談

「ああ……えーと、どうしようかな。邪魔ではないけど……じゃあこれ(汚れ防止用のガウン)着てもらって、そこにいてもらいましょうか」

旦那が準備してるようだが、私は余裕なし。助産師さんは準備できたようで、

「ひっひっふー、うん、で最後にちょっといきんでみましょうかー」
「ひっひっふー、うん!」
「うんは声に出さないで、いきむ感じね」

わかっててもできねえっす。ちょっといきむとか無理、思いっきりいきむ。勝手に、レバー発見したのでそれを握っていきむ。
とりあえずうんち出そう。ていうか多分ちょっと出た。でももうそれどころじゃない。旦那が横に来て、「頑張れ頑張れ」いいながら手を握ったりさすったりしてくれる。嬉しいけど、それどころでもない。
いきむ時に、旦那の手を握りしめそうになって慌ててレバー握り直したりする。
腰の下のシーツ交換。すいませんね、便ですね。
もうね、便でもなんでもいいです。とりあえず出さないと赤ちゃんも出そうにない。

「はい、あごひいて、おへそ見ながら、ひっひっふー、うん」

ああ、もうそこまでいきんでいいのね。便でますよ、便。
と思ったが、なかなか出ない。えらい固いな、そこまで便秘だったか?

「じゃあ次は、陣痛きたら大きく吸って、下に向かっていきんでみましょう」

ていうかでかいな、この便。
一週間分くらい溜め込んだかのような……

「旦那さん、こちら見えますか? そこが赤ちゃんの頭になります」
「ああ! 本当ですね」
「まだ排臨はしてないですが……」



便じゃない、これ、赤ちゃんの頭かよ!←分娩時最大の驚き



ここまで大きいと、直腸も子宮も膣も位置関係がさっぱりわからなくなることを初めて理解しました。

「排臨(いきんだ時だけ外に頭が見える状態)? 発露(いきまなくても外に頭が見える状態)はまだ?」
「うん、まだまだ、でも頭がそこに見えてるよ」

うへえ。さすが初産、全開大で10cmの穴を通すのは至難の技なのね。

「脚開いて、閉じないで、体を拗らないで、あごひいておへそみてー」

何度言われてもそんなに脚開かない。誰か押さえておいてー。
とりあえずでかいうんちを出すように力をいれるが出ない。やっぱり微妙に力の方向が違うようだ。が、分娩台から立ち上がりそうな勢いで、レバーつかんで、踏ん張ってみる。ふんぬぬぬぬ。

「じゃあ先生呼んでー」

助産師さんが横のナースさんに声かける。
おお、そろそろ排臨はしたのかな、会陰切開ですね。了解です、了解だけど、麻酔だけはお願いしたいです。
先生なかなかこない。産んでしまうよ? 出すよ、出しちゃうよ?
と思いながらいきむけど、そうそう出てこない。
先生登場。

「初産は出口が狭いので、楽に出るように少し切れ目をいれますのでね」
「切るのはいいんですが! 麻酔を! お願いします!」

よかった、言えた(この会陰切開の麻酔の話、なんでこんなことにこだわっていたかは、また後日書きます)。

「でもキシロカイン(局所麻酔の薬品名)だけど……」←カルテにキシロカインアレルギーの記載あるから、言わなければそのまま切る予定だったのかも。

旦那が私のキシロカインのアレルギーの説明(昔出たことがあるけど、最近は大丈夫だ、という話)。

「じゃあアナペイン(局所麻酔の薬品名)を」

ナースさん、ドクター指示でアナペイン取りに行く。

「○○さん、アナペインの場所、わかってたっけ?」

もうね、アナペインじゃなくていいんで、キシロカインでいいんで、さっさと切ろ! と思ったけど言えない。
その間にも何回かいきむ。いきみの合間に腹の中で激しく暴れる胎児。

「痛い、暴れてる!」

そこまで頭がきてるのに、どれだけ元気なのこの子。頭が押されて、fetal distress(胎児仮死、もしくはnon-reassuring fetal status)になる子もいるくらいなのに、まだ動けるのか。その刺激でまた陣痛。
やっとアナペイン到着。いきんでる間に、麻酔の針が刺さる。いたっ。
と思った直後に、ぱちーん、と音が。

「いたーい!」

ええ、斜めに切ったね、切りましたね。て、麻酔効く前に切るなーっ! 麻酔の意味ないやろがーっ!
でももう知らん、いきむ。もうあちこち痛いから、もうどうでもいいっす。もう出るやろ、出ろよ、出ろ!
ふんぬぬぬぬぬぬぬぬぬ!

「はい、胸に手をおいて、はっはっはっはっ……」

よしゃ、出たね! もう出るね!
はっはっはっはっ……

「はい、もう出ますよ、お母さん、下見て、下」

呼吸法守りつつ、下に目をやると、にゅるりとシーツ越しに顔がこちらを向いて見えました……て、顔こっち向いてるっておかしいでしょう、回旋異常か。
しかも、まだ脚が出る前にほぎゃほぎゃ泣いて、あっという間に赤ちゃんになりましたよ。
頭が出てからはものの数秒で、つるんと出てきました。

「はい、おめでとうございまーす」
「はいー、ありがとうございますー」

もうね、かわいいかどうか知らんが、まあよく出てきてくれました。お陰で私の苦しみが終わったと思えば、ものすごく愛情がわくかもしれないと思いましたよ。
緑のシーツを胸にかけてくれて、赤ちゃんを胸の上にくれました。まあちいさいこと。頭に血腫できて、顔も浮腫んでます。
いやはや、あんたもようがんばったねえ。一番きつかったのはあんたやねえ。
赤ちゃんは計測へ。私はまだこれから後産(胎盤の娩出)が残ってます。
さあ、あとひと頑張り!
と思ったら、腹押されて腕突っ込まれて、頑張る間もなくすぐに出ました。早い。さすがに胎盤は私はご対面しませんでした。グロいからかね。ちょっと見てみたかったですが。
先生の指示で点滴全開。いつの間にか点滴に子宮収縮剤入ってた。
旦那は外に出され、私は会陰切開の創縫合。なぜ麻酔頼んだのか、というような話をする。お産ハイで色々喋る。
赤ちゃんがきれいにくるまれて再登場。2900g弱の女の子でした。大体主治医の先生のエコーの見立て通り、すごい!
旦那にも見せてきますね、といって外へ出される。
無事に縫合終了。お尻からもチェックします、と直腸診。オッケーでした。
先生退場、ありがとうございましたとお礼を言う。



長いわ読みにくいわで申し訳ありません。
生まれたのは5時半ごろ。
破水からちょうど24時間、陣痛スタートを酷くなった頃からと考えると(出産レポートその2から分娩終了まで)、およそ10時間。分娩台に乗ってから1時間。
初産にしては分娩誘発の薬も使わずにすみ、安産でした。
これが安産? ふざけんな、というくらいきつかったです。いやはや、陣痛、なめてました。
痛みのあまり、頭はぼんやりするし、そのくせ痛みは全然減らないし、鼻からスイカなんて控えめな表現をした先人を強くののしってやりたい、と思うくらい痛かったです。分娩自体の痛みより、長時間陣痛に耐えている方がよほどきつかったです。
が、これを書いている今日現在(産後10日程度)、陣痛の酷さは覚えてますが、すでにその痛みを忘れつつあり、「まあ、次もなんとかなるか」と思えるくらいになっています。


というわけで、お産を前に、陣痛や分娩に恐怖を感じている方。

「なんとかなります」

発狂しそうな気になりましたが、意外と発狂しません。大丈夫です。
もう腹をかっさばいて欲しいとか思いますが、大丈夫です、ちゃんと出てきます。
お産が終わった直後は「次は絶対に無痛分娩にする!」と思いましたが、今は「やっぱり普通に分娩するかな」と思ってます。冷静になると、無痛分娩のリスクの方が私には大きく思えますし(無痛分娩を否定するわけではありませんよ)。

どうぞ皆さんが、お産を無事に乗り越えることができますように。