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2018年4月13日金曜日

風疹と麻疹の違いはあるの? 麻疹(麻しん・はしか)Q&A

(本文は下に続きます。)

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ただいま沖縄を中心に麻疹が流行の兆しをみせています。
妊婦さんにとっては麻疹は脅威です。妊娠中に麻疹に感染すると、流早産の確率が高まったり、重症化したり、新生児に感染するリスクがあります。
(妊娠中の麻疹についての話の詳細はこちらをどうぞ。)
妊娠中に麻疹(はしか)に感染した場合の危険性(流産・早産・合併症)(追記あり・再掲)
さて今回は、twitterで何回かいただいた質問、「風疹は麻疹と同じなんですか? 違うんですか?」にお答えします。

風疹と麻疹は別物です



風疹は通称「三日ばしか(麻疹)」とも呼ばれ、麻疹と同じく発熱と発疹(ぶつぶつ)を伴う病気なので、しばしば混同される事があります。
しかし、風疹は英語でrubella、Togavirus科Rubivirus属の風疹ウイルスが原因になっておこる病気です。
これに対して麻疹は英語でmeasles、Paramyxovirus科Morbillivirus属の麻疹ウイルスが原因になっておこる病気です。
ウイルスの細かい名前は見なくて結構ですが、「こりゃまったく別物なんだな」という事がおわかりでしょうか。

当然別ものなので、片方のワクチンをうったから安心、というものではありません。別です。

妊婦健診で調べるのは「風疹」の抗体価

妊婦健診で採血をして「妊娠初期になんかの抗体? を調べたら、十分あるよって言われた。あれってなんだっけ?」という方もいるかもしれません。
妊婦さんにとって麻疹も恐ろしいのですが、風疹も非常に恐ろしい病気です。
なぜなら、妊婦さんが風疹にかかると、赤ちゃんが「先天性風疹症候群」になってしまうからです。先天性風疹症候群は赤ちゃんに先天性心疾患、難聴、白内障といった障害をもたらします。そのため、風疹にかかる可能性があるかどうか、妊婦さんは「風疹の抗体価」の検査をするのですね。

麻疹については通常妊娠中に検査する事はありません(流行時に検査するとしても、普通は自費の検査ですので詳しい説明があると思います)。

 風疹の抗体価と麻疹の抗体価に関係はあるの?


関係ありません。
現在は、MRワクチンと呼ばれる麻しん風しん混合ワクチンを定期接種に用いる事が多いのですが、麻しん単独ワクチン、風しん単独ワクチンを用いる事もあります。
MRワクチン、もしくはMMRワクチン(水痘のワクチンも混ざったもの)を使用している場合、風疹の抗体価が上がっていれば麻疹の抗体価も上がっている可能性はありますが、はっきりいって「わかりません」
風疹にしか抗体がしっかりついてない事もあれば、逆に麻疹にしか抗体がしっかりついていない事もあり得ます。どっちにも抗体ができていない事も、どちらにも抗体ができている事もあります。わかりません。
つまり、「風疹の抗体価は基本的に麻疹の抗体価とは関連しない」です。

ただ、風疹の抗体が「陰性です」と言われた場合、可能性としてはMRワクチンを一度も接種した事がない→麻疹の抗体も当然ついていない、という事は考えられます。

まず調べるべきなのは妊婦さん自身の母子手帳

風疹とは関係ないので、まずは自分自身、妊婦さん自身の母子手帳をご確認ください。麻疹に備えるために必要なのは、「MRワクチン(もしくは麻しん単独ワクチン)2回の接種歴」です。
その他の妊婦さんの麻疹対策については、下記の記事もご参照ください。

妊娠中の麻疹対策〜家族と妊婦さん自身にできること〜

是非周囲の人も一丸となって、妊婦さんを麻疹から守ってほしいと思います。(そして、これ以上麻疹が流行しませんように……! twitterでも情報を発信しています、ご参照ください)

その他、麻疹関連の記事のまとめはこちら
麻疹情報まとめ(当ブログ内) 

参考サイトなど

麻疹とは 国立感染症研究所
https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/518-measles.html
風疹とは  国立感染症研究所
https://www.niid.go.jp/niid/ja/diseases/ha/rubella/392-encyclopedia/430-rubella-intro.html
先天性風疹症候群とは  国立感染症研究所
http://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/429-crs-intro.html