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2014年1月13日月曜日

妊娠中のサプリメントの使い方

サプリメントは安全とは限らない〜過剰摂取の話〜

(今回は主にビタミン及び一部ミネラルのサプリメントについて解説しています)

「大は小を兼ねる」という言葉がありますが、サプリメントに関して私はこの言葉は適切でないと考えています。
「3錠で1日分の○○がとれます」といった売り文句のものを多く見かけますが、では毎日3錠飲む事は体によいことでしょうか。
全く食事をしない人にとっては、このサプリメントであれば、1日3錠飲むのがよいかもしれません。
ですが、恐らく誰もが(例え偏っていたとしても)普通にある程度の食事はしているでしょう。これに一日分の○○を飲み足すのは、過剰に摂りすぎている、と考えられます。

ただ、勿論、「もの」によります。
例えばビタミンの多くは水溶性ビタミンと呼ばれるもので、必要量より過剰に摂った場合、水に溶けるため、おしっこにそのまま出て行くことになります。
ですので、少々過剰にとっても、腎機能が正常な人には問題ないでしょう。
勿論、必要以上にとっても無駄になる、ということも意味しています。

ところが、ビタミンの一部、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンKは脂溶性ビタミンと呼ばれる分類にあたります。
これらのビタミン類は、体内に入ってしまうと、体内に蓄積してしまいます。
ですので、過剰にとった場合、ビタミン過剰症という病気になることがあるのです。

他のミネラルも同様です。
例えばカルシウム、これをサプリメントで異常に多くとっている方(骨粗鬆症を恐れる女性が多いです)を見かけますが、これは危険。
スウェーデンの研究(http://www.bmj.com/content/346/bmj.f228
)で、1400mg以上摂取する群では心血管イベントなどによる総死亡率が、過剰に摂取していない群と比較して2.57倍に増えたという結果が出ています。
以前より、カルシウムの過剰摂取が種々の病気を引き起こすことは指摘されていましたが、この研究は非常に興味深いものです。

美容にいいから、健康にいいからと言ってサプリメントを摂りすぎるのは、非常に危険であることがわかっていただけたでしょうか。
妊娠中も同様です。
お腹の中の赤ちゃんにいいから、貧血にいいから……といったようにしてサプリメントを使うのは結構ですが、過剰摂取はかえって母体や胎児にダメージを与える可能性があるということを知っておいてください。
妊娠中に推奨されている葉酸も、過剰に摂取することで胎児奇形をかえって増加させることが知られています。どうか推奨量程度にとどめておいてください。


サプリメントはあくまで「ただの食品」と思うべし

サプリメントの外装をよく見ると、「疾患の治癒を行うものではありません」云々が書かれていると思います。
全くもってその通りで、「最近疲れがたまっている方」「パワーが足りない方」とかの絵や文章が書かれていても、飲む事で治療ができるとは一言も書いてません

サプリメントに書かれている症状などは、その栄養が「不足していた場合に起こる症状」を書いているだけであって、「その症状がある人がサプリメントをとることで症状が改善する」というものではないのです。

さらにあやしいサプリメントになると「脂っこい食事の前に……」「飲み過ぎには」「血圧が高めの方に」とか書いているけれど、別にそれで脂っこい食事を帳消しにするとか、二日酔いを治すとか、血圧を下げるとかは一切書かれていません。ご確認ください。

「○○によいと言われる××を1000個分配合」とかも同様です。
「○○によいと言われている××を1000個分配合しているけど、これでよくなるなんて一言も言ってないよ」というのが見え隠れしているとは思いませんか。

そんな魔法の薬があるなら、普通に製品化されて、病院で処方されています。
本当に症状改善に役立つものであれば、研究→製剤化されます。
されていない場合は、研究の価値もない物か、研究したけれどそんな成果はでなかった物であることが殆どです(調べると、そんな論文がごろごろ出てきます)。

逆にサプリメントのせいで無駄に健康を損ねる方も沢山見ています。
一時期はやった某きのこのサプリメントを毎日摂っていた方が、間質性肺炎で生死をさまよっているのを目の当たりにしました。
そういうのを見ていると、私自身は正直、「自然食品系のサプリ」は恐ろしくて飲む気がおきないです。(普段から口にしている食材ならともかく、謎のきのこや南国の木の実? などは怖くてたまりませんね)

ですので、サプリメントはあくまでも、「通常の生活に足りない分を補うもの」といった気持ちをもった上で、上手に使うことをおすすめしたいと思います。

妊娠中の上手なサプリメントの使い方

(妊娠中のサプリメントはあくまで補助であり、決して推奨するものではないことを先に強調しておきます。葉酸は食事のみで補うのは非常に困難なので、葉酸については別とお考えください。)

ではどうやって使うかというと、「自分の生活を顧みた上で、調節をする」のがサプリメントのベストな使い方と言えるでしょう。
正直なところを申しますと、普通の食生活で十分量の栄養が補える健康な方であれば、サプリメントは全く必要ありません。

では、自分の食生活で補えているかどうか。

これは一度一日に自分が口にした全てのものを記載して、食品成分表に照らし合わせて、全ての栄養素を計算し、栄養所要量に達しているかを調べてみるのが一番確実です。
が、これは確実なのですが、非常に面倒くさいです。
面倒くさいけれど、本当にバランスのよい食事がわかっていない方が多いのも事実。一度だけでいいのでやってみることをおすすめします(ただ本当に面倒くさい)。
そして、どういう食事が本当にバランスがよいのかがわかったら、「今日は朝食抜きだった」「昼ご飯が外食で、野菜が少なかった」などの状況に合わせて、「じゃあ少しだけサプリメントを使っておこう」「今日はいい食生活だったから必要ないな」という使い方ができると思います。


私の妊娠中のサプリメントの使い方の実例


医学的な理論はわかった。じゃあお前はなにを使ってるんだよ、と言われますと、とりあえずは信頼がおけそうな(一般的によく聞いたことのあるメーカーの)サプリを買っています。
血液データで鉄欠乏寄りになっていた時は、少し鉄剤サプリを使って、データが改善したらやめる(完全な鉄欠乏性貧血の場合は全く足りませんので、きちんと病院から処方される薬を飲みましょう)、食生活が乱れた時にマルチビタミンを少しだけ飲む、口内炎ができた時にビタミンB類のサプリを少し足す、怪我をした時に亜鉛サプリをちょっと飲む……といった感じで、適当に飲んでます。

真面目に毎日飲んだのは、妊娠を計画してからの葉酸サプ程度です。さすがに食事だけで補える量ではなかったので、これだけは飲んでいました。

葉酸についての記事はこちら
妊娠と葉酸〜葉酸サプリはいつからいつまで飲めばいいの? 飲む量と飲む理由も考えよう〜

それから、つわりがきつい時には、ビタミンB6を使いました。
食事量が足りない日にはマルチビタミン。
それと、妊娠中に足が毎日つった時には、カルシウムを少しだけ(これはよく効きました。詳しくは「妊娠すると足がつる! 原因、解消法は?」)。
中期以降は、魚を食べなかった日はDHAを追加(おまじない程度ですが)。

私の使い方が、一番だなんて勿論申しません。
こうやって使ってなにか効果があったかと言われますと、少なくとも足がつるのは治りました。
あと、貧血気味のデータは改善しました。
……そのくらいですかね(苦笑)。そのくらいのものです。サプリメントは。

野菜が足りないと思うときは、サプリメントより野菜ジュース一杯飲む方が、おそらく健康的です、ということも付け足しておきます。
食物繊維などのことを考えても、そちらの方が生理的ですよ。


私が妊娠中に実際に使ったサプリのリンクはっておきます。参考程度に。
購入したものほぼ一覧のAmazonのページはこちら。サプリ以外も入ってますがご了承ください)

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(本文は下に続きます。)

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参考サイトなど
Long term calcium intake and rates of all cause and cardiovascular mortality: community based prospective longitudinal cohort study
http://www.bmj.com/content/346/bmj.f228