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(今回の記事はとてもデリケートな内容で、書く事を悩みました。ですので、文末に私の娘へあてた個人的なメッセージを書いていること、どうかご了承ください。)
タイトルは、私が妊娠中に何度も検索した言葉です。
ということで、今回は「母性がない」という話。
もし、自分に母性が感じられない、赤ちゃんがかわいく思えない、そういうことで悩んでいる方がいたなら……と思い筆をとりました。
また、
「まだ赤ちゃん欲しいとも思えないし、かわいいとも感じないのに、妊娠していいかわからない」
そんな方。
私自身がそうして子どもを得て、どうなったか。もしよければ読んでいただけたらと思います。
妊娠中、実はとても悩んでいたことがあります。
それは、「母性」がないこと。
本当に正直な話をしますと、私は本当はまだ子どもが欲しくありませんでした。
うつ病もなんとか安定し、橋本病がありながらも基本的に健康で、仕事も緩やかながら充実し、旦那との仲も良好。
現状に満足していました。
子どもができたら、その全てが壊れてしまうことがわかっていました。
いつまでも、とはいかずとも、もう少し今の安定した状態でいたい……
まだ、子どもは欲しくない……
しかし、一番の問題がありました。
それは、私の年齢。
妊活と言いますか、子作りをスタートして、すぐ妊娠できるわけではありません。
もし、私たち夫婦が不妊症であるとなれば、治療を開始するでしょう。
そして、スタートが遅くなれば遅くなるほど、子どもはできにくくなり、不妊症の治療も難しくなります。
それに、一部の先天性疾患の確率も上がってきます。
そう、夫婦になって、「いつか子どもを」と思うなら、できるだけ早い方がいい。
30過ぎての結婚でしたから、感情的にはまだ妊娠したくないけれど、理性的に子作りをスタートせざるを得ませんでした。
そして、紆余曲折(流産など)ありながらも妊娠。
悲しいことに、私は妊娠したことを嬉しいと感じた時間はほとんどありませんでした。
どんなにエコーで動いているのを見ても、お腹にいる胎児を、自分の赤ちゃんとしてかわいいと思うことはありませんでした。
産んだ子どもを、かわいいと思う自信は一切ありませんでした。
他人の子どもを見ても、かわいいと思ったことはほとんどありません。
例えば、これが、自分が虐待を受けてきた、とかであれば、まだ納得がいったかもしれません。ああ、だから自分も子どもに愛情を注げないのかな、と。
しかし、私は親に大切に育てられた記憶があります。
幸せな幼少期を過ごしてきたと思います。
私の母は、それは母性にあふれた優しい人です。
だからこそ、どうしてその子どもの私が、全然母性がわいてこないのか。悩みました。
子どもを産めば母性がわく、自分の子どもをがかわいく見える。そんな話を聞きます。
しかし、こんな状態で子どもを産んで、かわいく思う自信なんてありません。
ただ、私は、自分で言うのもなんですが、基本的に真面目で、妊娠した以上は大事に過ごし、産まれてきたなら大事に育てることはできるだろう、と思っていました。
しかし、それは責任感からくるものであり、本当の意味でこの子に愛情を注いであげることができるだろうか……
結局、答えは出ないまま、陣痛が来ました。
産まれたら母性がわいてくるかもしれない。
一縷の望みでした。
しかし、それは叶いませんでした。
自分から出てきた子どもを、特別にかわいく思えませんでした。
自分から出てきたけれど、自分の子どもという実感もなかった。
よく産まれてきたなあ、とは思いました。それだけでした。
おっぱい(母乳)をあげると母性がわく、という話も聞いたことがありました。
産婦人科に入院し、母乳をあげました。
けれど、それだけでした。
私の母乳はほとんど出ず、赤ちゃんも吸いついてくるけど、これって反射だよなとしか思えず。
入院して4日。
赤ちゃんが新生児黄疸になりました。
新生児黄疸は、よくあることです。
程度もひどくないので、ブルーライト浴びたら治るだろう。
そう思っていました。
「じゃあ今から治療になりますね」
と授乳後に、看護師さんが赤ちゃんを連れて行きました。
夕方に旦那が来て、新生児黄疸の話をしました。
「まあ結構黄色かったからね(黄疸出てたからね)」
旦那も同じだけの知識があるので、説明は楽でした。
その時、丁度授乳に呼ばれました(黄疸の程度の問題か、施設の問題か、この産婦人科では授乳はOKでした)。
ナースステーションに行くと、小さなガラスケースの中で、青い光を浴びる赤ちゃんがいました。
裸にされ、おむつ一枚、目には保護のテープを貼られて。
私と旦那が来たのに気づくと、ナースさんがクベースから赤ちゃんを出してくれました。
目の保護シールはそのままで、抱っこをしました。
その熱い、ぐったりとした身体。
ブルーライトは、暑いのです。紫外線です。当然です。
少しずれた保護シールの隙間に、日焼けの跡がついていました。
その時、涙が出ました。
空腹になるはずの時間になってもなかなか泣かない子でした。授乳間隔はとても長かった。
黄疸できつかったんだと思います。だから、起きることができなかった。
授乳しててもすぐ寝てしまって、ほとんど吸ってくれなかった。
吸う体力がなかったんです。
黄疸できつくなり、わけもわからず目隠しをされ、暑い部屋に入れられて……
あまりに可哀想で、涙が出ました。
「ごめんね……」
そうつぶやいて、こんな時に言ってあげる言葉は謝罪じゃない。それよりも……
そう思って、そこで初めて気付きました。
私は、この子が生まれて、一度も「好き」だと言ってあげていないことに。
「かわいい」とも「愛してる」とも、なにも。
なにも。
「ごめんね、頑張って治療して、元気になろうね。ママも待ってるよ、ごめんね、大好きだよ」
泣きながら謝りました。
この子を守りたいと思いました。
多分、私の中で初めて母性が芽生えた瞬間でした。
それでも、私の母性は不安定でした。
この子を守りたいという気持ちはありましたが、「かわいい」という気持ちはなかなか自然にわかなかった。
どこかの本で、「赤ちゃんと母親はお互いに一目惚れをする」と書かれていました。
それは嘘です。
二目惚れ……いや、何百目惚れくらいだと思います。
毎日世話をして、やっと赤ちゃんの目の焦点が合うようになって、赤ちゃんが「どうやらこの人は私の世話をする人らしい」と認識した頃。
私を見て、僅かな笑み(新生児微笑かもしれませんが)を見せた頃。
やっと「かわいい」と思うことができました。
かわいい、本当に、かわいい。
そこからはメロメロになり、今では毎日「かわいい」「大好き」を連呼しています。
「母性」とは生まれつきもっているものではないと思います。
単純に、成長の過程で得られるものでもないと思います。
相手がいて、初めて生じるきっかけができるものなのだと思うのです。
なんのレスポンスもないのに、無条件に愛情を注ぐことができる人もいるでしょう。
しかし、実際には、なんらかの反応が返ってくることで、「かわいい」という肯定的な感情がわき、愛情を注げるようになるのではないでしょうか。
長くなりました。
私が言いたいのは、母性がわかないと心配している方に、大丈夫だよ、と言いたいのです。
こじらせにこじらせていた私ですが、今では毎日子どもに嫌がられるほど、「かわいい」「好き」「大好き」「世界で一番大好き」と言いまくっています。
こんなにかわいい生き物を、私は生まれてこのかた一度も見たことがない。公然かわいい罪で捕まったらどうしようか。なぜギネスに載らないのか理解できない。
とまあ、そのくらいかわいくて仕方ありません。
だから、大丈夫だよ。
悩んでるのは、あなただけではありません。
母性は、生まれ持ってる資質でもなんでもなく、これからあなたと赤ちゃんで一緒に育んでいくものですよ、と。
そして、最後に私の娘へのメッセージを載せる事をお許しください。
今回の記事を書くと、今後もし私の子どもがこのページを見た時に傷つくかもしれません。なので、一人目の娘にあてたメッセージになります。
ママは、本当に母性がないままあなたを生みました。
あなたがお腹の中にいる時も、無事に産んであげたいとただそのことを願ってはいましたが、お腹の中にいる赤ちゃんが、一体どんな人間になるのか、一体どうやって育つのか、一つも想像できなくて、こんな自分が母親になっていいのかと毎日自問自答する日々でした。
けれど、実際に産まれてきて、おっぱい(母乳)をあげて、育てて、「こんなにかわいい生き物がこの世にいたなんて!」と、驚きました。あなたの笑顔に、笑い声に、時に泣き声に、「ママ、だーいすき!」という言葉に、どれだけ幸せにしてもらえたことか。
世界で一番あなたを愛しています。大好きよ。毎日何百回「すき」「かわいい」とキスを降り注いでも足りないくらい、大好き。
あなたを産む事で、私はママになることができました。
心から、あなたの成長と幸せを祈っています。大好きよ。
ここに書いた事は、私がママになるために苦労した頃の話です。悩んで悩んで、そしてママになりました。
これからママになるのに、悩んでいる人のために、こんな気持ちだったんだ、それでもこんなに子どもを愛する事ができていますよ。そのメッセージを伝えたくて、文章を書いています。
だから、どうか悲しんだりしないでください。あなたを、心の底から、愛しています。
タイトルは、私が妊娠中に何度も検索した言葉です。
ということで、今回は「母性がない」という話。
もし、自分に母性が感じられない、赤ちゃんがかわいく思えない、そういうことで悩んでいる方がいたなら……と思い筆をとりました。
また、
「まだ赤ちゃん欲しいとも思えないし、かわいいとも感じないのに、妊娠していいかわからない」
そんな方。
私自身がそうして子どもを得て、どうなったか。もしよければ読んでいただけたらと思います。
妊娠中、実はとても悩んでいたことがあります。
それは、「母性」がないこと。
本当に正直な話をしますと、私は本当はまだ子どもが欲しくありませんでした。
うつ病もなんとか安定し、橋本病がありながらも基本的に健康で、仕事も緩やかながら充実し、旦那との仲も良好。
現状に満足していました。
子どもができたら、その全てが壊れてしまうことがわかっていました。
いつまでも、とはいかずとも、もう少し今の安定した状態でいたい……
まだ、子どもは欲しくない……
しかし、一番の問題がありました。
それは、私の年齢。
妊活と言いますか、子作りをスタートして、すぐ妊娠できるわけではありません。
もし、私たち夫婦が不妊症であるとなれば、治療を開始するでしょう。
そして、スタートが遅くなれば遅くなるほど、子どもはできにくくなり、不妊症の治療も難しくなります。
それに、一部の先天性疾患の確率も上がってきます。
そう、夫婦になって、「いつか子どもを」と思うなら、できるだけ早い方がいい。
30過ぎての結婚でしたから、感情的にはまだ妊娠したくないけれど、理性的に子作りをスタートせざるを得ませんでした。
そして、紆余曲折(流産など)ありながらも妊娠。
悲しいことに、私は妊娠したことを嬉しいと感じた時間はほとんどありませんでした。
どんなにエコーで動いているのを見ても、お腹にいる胎児を、自分の赤ちゃんとしてかわいいと思うことはありませんでした。
産んだ子どもを、かわいいと思う自信は一切ありませんでした。
他人の子どもを見ても、かわいいと思ったことはほとんどありません。
例えば、これが、自分が虐待を受けてきた、とかであれば、まだ納得がいったかもしれません。ああ、だから自分も子どもに愛情を注げないのかな、と。
しかし、私は親に大切に育てられた記憶があります。
幸せな幼少期を過ごしてきたと思います。
私の母は、それは母性にあふれた優しい人です。
だからこそ、どうしてその子どもの私が、全然母性がわいてこないのか。悩みました。
子どもを産めば母性がわく、自分の子どもをがかわいく見える。そんな話を聞きます。
しかし、こんな状態で子どもを産んで、かわいく思う自信なんてありません。
ただ、私は、自分で言うのもなんですが、基本的に真面目で、妊娠した以上は大事に過ごし、産まれてきたなら大事に育てることはできるだろう、と思っていました。
しかし、それは責任感からくるものであり、本当の意味でこの子に愛情を注いであげることができるだろうか……
結局、答えは出ないまま、陣痛が来ました。
産まれたら母性がわいてくるかもしれない。
一縷の望みでした。
しかし、それは叶いませんでした。
自分から出てきた子どもを、特別にかわいく思えませんでした。
自分から出てきたけれど、自分の子どもという実感もなかった。
よく産まれてきたなあ、とは思いました。それだけでした。
おっぱい(母乳)をあげると母性がわく、という話も聞いたことがありました。
産婦人科に入院し、母乳をあげました。
けれど、それだけでした。
私の母乳はほとんど出ず、赤ちゃんも吸いついてくるけど、これって反射だよなとしか思えず。
入院して4日。
赤ちゃんが新生児黄疸になりました。
新生児黄疸は、よくあることです。
程度もひどくないので、ブルーライト浴びたら治るだろう。
そう思っていました。
「じゃあ今から治療になりますね」
と授乳後に、看護師さんが赤ちゃんを連れて行きました。
夕方に旦那が来て、新生児黄疸の話をしました。
「まあ結構黄色かったからね(黄疸出てたからね)」
旦那も同じだけの知識があるので、説明は楽でした。
その時、丁度授乳に呼ばれました(黄疸の程度の問題か、施設の問題か、この産婦人科では授乳はOKでした)。
ナースステーションに行くと、小さなガラスケースの中で、青い光を浴びる赤ちゃんがいました。
裸にされ、おむつ一枚、目には保護のテープを貼られて。
私と旦那が来たのに気づくと、ナースさんがクベースから赤ちゃんを出してくれました。
目の保護シールはそのままで、抱っこをしました。
その熱い、ぐったりとした身体。
ブルーライトは、暑いのです。紫外線です。当然です。
少しずれた保護シールの隙間に、日焼けの跡がついていました。
その時、涙が出ました。
空腹になるはずの時間になってもなかなか泣かない子でした。授乳間隔はとても長かった。
黄疸できつかったんだと思います。だから、起きることができなかった。
授乳しててもすぐ寝てしまって、ほとんど吸ってくれなかった。
吸う体力がなかったんです。
黄疸できつくなり、わけもわからず目隠しをされ、暑い部屋に入れられて……
あまりに可哀想で、涙が出ました。
「ごめんね……」
そうつぶやいて、こんな時に言ってあげる言葉は謝罪じゃない。それよりも……
そう思って、そこで初めて気付きました。
私は、この子が生まれて、一度も「好き」だと言ってあげていないことに。
「かわいい」とも「愛してる」とも、なにも。
なにも。
「ごめんね、頑張って治療して、元気になろうね。ママも待ってるよ、ごめんね、大好きだよ」
泣きながら謝りました。
この子を守りたいと思いました。
多分、私の中で初めて母性が芽生えた瞬間でした。
それでも、私の母性は不安定でした。
この子を守りたいという気持ちはありましたが、「かわいい」という気持ちはなかなか自然にわかなかった。
どこかの本で、「赤ちゃんと母親はお互いに一目惚れをする」と書かれていました。
それは嘘です。
二目惚れ……いや、何百目惚れくらいだと思います。
毎日世話をして、やっと赤ちゃんの目の焦点が合うようになって、赤ちゃんが「どうやらこの人は私の世話をする人らしい」と認識した頃。
私を見て、僅かな笑み(新生児微笑かもしれませんが)を見せた頃。
やっと「かわいい」と思うことができました。
かわいい、本当に、かわいい。
そこからはメロメロになり、今では毎日「かわいい」「大好き」を連呼しています。
単純に、成長の過程で得られるものでもないと思います。
相手がいて、初めて生じるきっかけができるものなのだと思うのです。
なんのレスポンスもないのに、無条件に愛情を注ぐことができる人もいるでしょう。
しかし、実際には、なんらかの反応が返ってくることで、「かわいい」という肯定的な感情がわき、愛情を注げるようになるのではないでしょうか。
長くなりました。
私が言いたいのは、母性がわかないと心配している方に、大丈夫だよ、と言いたいのです。
こじらせにこじらせていた私ですが、今では毎日子どもに嫌がられるほど、「かわいい」「好き」「大好き」「世界で一番大好き」と言いまくっています。
こんなにかわいい生き物を、私は生まれてこのかた一度も見たことがない。公然かわいい罪で捕まったらどうしようか。なぜギネスに載らないのか理解できない。
とまあ、そのくらいかわいくて仕方ありません。
だから、大丈夫だよ。
悩んでるのは、あなただけではありません。
母性は、生まれ持ってる資質でもなんでもなく、これからあなたと赤ちゃんで一緒に育んでいくものですよ、と。
そして、最後に私の娘へのメッセージを載せる事をお許しください。
今回の記事を書くと、今後もし私の子どもがこのページを見た時に傷つくかもしれません。なので、一人目の娘にあてたメッセージになります。
ママは、本当に母性がないままあなたを生みました。
あなたがお腹の中にいる時も、無事に産んであげたいとただそのことを願ってはいましたが、お腹の中にいる赤ちゃんが、一体どんな人間になるのか、一体どうやって育つのか、一つも想像できなくて、こんな自分が母親になっていいのかと毎日自問自答する日々でした。
けれど、実際に産まれてきて、おっぱい(母乳)をあげて、育てて、「こんなにかわいい生き物がこの世にいたなんて!」と、驚きました。あなたの笑顔に、笑い声に、時に泣き声に、「ママ、だーいすき!」という言葉に、どれだけ幸せにしてもらえたことか。
世界で一番あなたを愛しています。大好きよ。毎日何百回「すき」「かわいい」とキスを降り注いでも足りないくらい、大好き。
あなたを産む事で、私はママになることができました。
心から、あなたの成長と幸せを祈っています。大好きよ。
ここに書いた事は、私がママになるために苦労した頃の話です。悩んで悩んで、そしてママになりました。
これからママになるのに、悩んでいる人のために、こんな気持ちだったんだ、それでもこんなに子どもを愛する事ができていますよ。そのメッセージを伝えたくて、文章を書いています。
だから、どうか悲しんだりしないでください。あなたを、心の底から、愛しています。