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2014年4月22日火曜日

お産の時の会陰切開はなぜ必要?

(本文は下に続きます。)

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(文章にまとまりがないので、後から手を加えるかもしれません。すいません)

特に初産婦さんは「お産の時に会陰切開をします」という話を妊婦健診の時に言われる方が多いのではないかと思います。
会陰切開、文字通り、会陰(膣と肛門の間の部分)に切開を加えることをさします。お尻側に向かって切る場合、横に切る場合、斜めに切る場合があります。
なぜそんなところを切り開く必要があるのか?
よくお産の痛みを男性に説明する時に、「鼻からスイカを出すような痛さ」なんて表現をします。
鼻からスイカを出すとどうなるか、想像してみてください。
多分、裂けて血みどろになります。
流石に鼻よりも伸縮性に富む膣ではありますが、それでも赤ちゃんの頭と体を通すにはぎりぎりの部分になります。
そのため、十分に広がりきる前に赤ちゃんが出てくると、びりっと裂けてしまうことがあります(会陰保護という方法で、会陰や骨盤底筋群の損傷を防ぐ努力を行いますが、それだけでは防げないことがあります)。
「わざわざ切って縫う、なんてことしなくても、運悪く裂けた時には縫う、でいいんじゃない?」
と思うかもしれませんが……大きく違います。
それについてご説明しましょう。



紙をはさみで切ってからセロハンテープで元通りにとめるのと、紙を手で引きちぎってからセロテープで元通りにとめるのとを想像してみてください。前者の方がきれいにとめれそうな気がしませんか。
これと同じことで、やはり人間の組織もぐちゃぐちゃの部分を縫うのと、鋭利な刃物で切った断面を縫うのでは、治りが違います(実際、お産以外でも汚い傷の場合、わざとメスなどで断面をきれいにしてから縫うことがあります)。

次に、先に切れ込みをいれることで、そちらにエネルギーを集中させることができます。
この切れ込みがないと、全体にエネルギーが分散するため、場合によって何カ所も裂けてしまう可能性があります。
そうすると、当然、傷が多くなるので治りが悪くなります。
浅い皮膚や粘膜だけの損傷であれば自然治癒も可能ですが、程度が酷くなると膣からお尻までびりっと裂けてしまったりして、肛門括約筋まで切れてしまい、小さいながら手術が必要になります。
血流が悪かったりしてきれいにくっつかない場合(縫合不全、といいます)、直腸と瘻孔ができてしまう可能性もあります(直腸膣瘻、直腸会陰瘻)。この場合、炎症が治まり、瘢痕が治るのを待った半年後くらいに再手術が必要となります。

これらの危険を考えると、初産婦さん(お産が初めてなので、膣が広がりにくい)では、切らずに済むなら切らないのは当然としても、危険性があれば会陰切開をした方が様々な合併症を防ぎ、産後の回復も早い、と考えられます。
「会陰切開なんてしなくても、時間をかければ広がるんだからする必要はない」とおっしゃる方もいます。
もちろん、時間をかけて、ゆっくりとお産を進めれば、徐々に広がって裂ける可能性は低くなりますが、赤ちゃんの状態が悪くなればゆっくり時間をかけることができないことも考えられます(狭いところを通り抜けるため、赤ちゃんにはかなりのストレスがかかり、状態が悪くなることがあります)。
それに、お産をしてわかりましたが、「いきむな」と言われていきむのを我慢出来るとは限らないと思います。もう私は早くいきみたくて仕方がなかったですし、そのために早く切開して欲しかったくらいです……

「でも、会陰切開なんて……皮膚を切ったら痛いじゃない!」
と思うかもしれません。
で、体験しました。
ええ、痛いです。
が、はっきり言って、陣痛の方が痛くてそれどころじゃありません。
麻酔もしてもらいましたが(そして、その麻酔が効く前に切られましたが 出産レポートその3参照)、いきんでいる最中に切られると、分娩の痛みなのか切られた痛みなのかはっきりわからないくらいのものです。
切られること自体は、恐れるに足りません。大丈夫です。

問題は、産後です。当然、傷があるのだから痛みます。
吸収糸と言って、徐々に体に吸収されるので抜糸の必要がない糸だったのですが、産後3日ほどは夜に痛み止めを飲まないと眠れないくらいでした。寝返りなど、姿勢を変えると痛んだので……
とはいえ、日中に痛み止めの薬が必要になったのは初日くらいで、それ以降は普通に歩いたりするのは問題ありませんでした。
座る時は、どうしようもなく痛いです。しばらく円座は手放せず、5日ほどは普通に椅子には座りたくない感じでした。円座、偉大です。
尿が会陰にかかると、浸透圧の問題でしみます。かからないように気をつけて排尿し、少しでもかかったら清浄綿などで拭き取りましょう。
退院の頃には、円座は必要ないくらいになりました。が、家にあったら楽だろうとは思いました。余裕があるならば買っておいても損はないかと思います。
今、産後3週間ほどですが、痛みはほぼなくなりました。傷は元通り、とはいきませんがかなりきれいにくっついてます。まだごつごつと縫った痕が触れますし、ナプキンなどにひっかかるとわずかに痛み、違和感もあります。膣の中はまだもう少し痛いかな……? 悩まされるほどではないです。

とまあ、産後もそれなりに長く痛みや違和感に悩まされましたが、もし会陰切開をせずに直腸裂傷ができたり、あちこちに裂けてしまったりしていたら、もっと長く苦しむ事になったのは想像に難くありません。
少なくとも私は切ってもらってよかったです。
大丈夫です、怖くありません。
はっきり言って、それよりすごいこと(出産)をやるのですから、それと比べればほんの些事でした。いや、お産、すごかった。

会陰切開、好んでやって欲しい人はいないと思います。
が、なぜ必要なのか、それを知っておくだけでも、産後の気分の向上に繋がると思います。
どうぞよいお産となりますように。

1 件のコメント:

  1. はじめまして。時期外れのコメントで申し訳ありません。
    記事拝読しまして、直腸会陰瘻という病名が出てきましたが、これはどういった症状が出るのでしょうか。よろしければ教えてください
    出産時に四度裂傷になり、その後傷が化膿して治療しているのですが、詳しく説明をもらえず、検査が多くて不安で困っています。

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